WordPressテーマ開発において、テンプレートファイルを読み込むことは、サイトの構造を柔軟に管理するために非常に重要です。WordPressには、テンプレートファイルを読み込むための便利な関数がいくつか用意されています。
この記事では、代表的なテンプレートファイルを読み込む方法を紹介します。
ヘッダーを読み込む
WordPressのテーマには、サイトのヘッダー部分を表示するためのテンプレートファイルがあります。これを読み込むためには、get_header()
関数を使用します。この関数を使うことで、テーマのヘッダー部分を簡単に読み込むことができます。
<?php get_header(); ?>
PHPget_header()
は、デフォルトでheader.php
ファイルを読み込みます。もし異なるヘッダーファイルを使いたい場合は、引数としてファイル名を渡すこともできます。
<?php get_header('custom'); ?>
PHPこの場合、header-custom.php
が読み込まれます。
フッターを読み込む
フッター部分も同様に、get_footer()
を使って簡単に読み込むことができます。これにより、テーマのフッター部分を一貫性を持たせて表示できます。
<?php get_footer(); ?>
PHPデフォルトではfooter.php
が読み込まれますが、引数としてファイル名を渡すことも可能です。
<?php get_footer('custom'); ?>
PHPこの場合、footer-custom.php
が読み込まれます。
サイドバーを読み込む
サイドバーもよく使用される部分です。get_sidebar()
関数を使うことで、サイドバーのテンプレートファイルを読み込むことができます。
<?php get_sidebar(); ?>
PHPデフォルトではsidebar.php
が読み込まれます。特定のサイドバーを読み込みたい場合は、引数としてファイル名を指定できます。
<?php get_sidebar('custom'); ?>
PHPこの場合、sidebar-custom.php
が読み込まれます。
テンプレートパーツを読み込む
get_template_part()
は、テーマの中で特定の部分テンプレートを読み込むための非常に便利な関数です。これを使うことで、コードの再利用性が高まり、テーマの管理が楽になります。
テーマのルートにあるファイル
get_template_part('custom')
のように、ファイル名だけを指定すると、WordPressはテーマのルートディレクトリ内にあるcustom.php
ファイルを読み込むことになります。
<?php get_template_part('custom'); ?>
PHPこの場合、get_template_part()
はwp-content/themes/your-theme/custom.php
を読み込みます。
ディレクトリ配下のファイル
テーマ内のサブディレクトリ、たとえばinc/
配下のファイルを読み込む場合は、ファイルパスにディレクトリ名を指定します。例えば、inc/custom.php
を読み込む場合です。
<?php get_template_part('inc/custom'); ?>
PHPこのコードでは、wp-content/themes/your-theme/inc/custom.php
を読み込むことになります。
第三引数を使う
WordPressの本体バージョン5.5.0以上の場合にのみ、第三引数を利用することが可能です。
この第三引数には、テンプレートファイルに引き継ぐパラメータを指定することができます。ここでは、テキストとリンクを渡して、テンプレートファイル内でa
タグを生成します。
<?php
$text = 'Click Here';
$link = 'https://example.com';
get_template_part('template-parts/cta', null, array('text' => $text, 'link' => $link));
?>
PHPこのコードでは、text
とlink
の2つのデータをtemplate-parts/cta.php
に渡します。
次に、template-parts/cta.php
ファイル内で渡されたデータを利用して、リンク付きのテキストを表示します。
<?php
// 渡された変数を取得
$text = isset( $args['text'] ) ? $args['text'] : '';
$link = isset( $args['link'] ) ? $args['link'] : '#';
?>
<a href="<?php echo esc_url( $link ); ?>"><?php echo esc_html( $text ); ?></a>
PHPこれで、$text
と$link
の値を使って、動的にリンクが生成されます。
まとめ
WordPressのテーマ開発において、テンプレートファイルを効率的に読み込むための関数を使いこなすことは、サイトの管理やコードの再利用性を向上させるために非常に重要です。
get_header()
、get_footer()
、get_sidebar()
、get_template_part()
などの基本的な関数を駆使することで、テーマの柔軟性を高めることができます。
これらの関数は、特別な設定なしで簡単に使えるので、初心者の方でも安心して活用できる点が大きな魅力です。

以上、WordPressのテーマ開発におけるテンプレートファイルの読み込み方法についての基本的なご紹介でした。